第1番 四天王寺
荒陵山(こうりょうざん)四天王寺(してんのうじ)
ありがたや 法のはじめの 天王寺 亀井にうかぶ 不動明王
ご朱印

家田荘子コラム 一番 四天王寺
中之門、南大門、極楽門、猫の門……四天王寺には門が沢山あり、また大変広くて、行き方が幾通りにもなってしまうので、まずは一番ご苦労な「電車バス歩き」巡礼者さんの視線でご紹介して行きます。 地下鉄谷町線「四天王寺前夕陽ヶ丘」という長い名前の駅の4番出口から南へ、およそ300メートル。最初に出てくるのが、中之門です。 大きな中之門をくぐると、前方遥か先まで境内が広がり、こんな街中で、どんなに大きなお寺かと足がすくむ思いです。総面積3万3千坪(約11万㎡)。四天王寺は、甲子園の3倍の広さを持つそうですから広いはずです。 石畳の上を進みながら、まずは右手に、赤いのぼりと地蔵山が見えて来ます。お堂の西には元逢坂清水の「融通地蔵尊」が祀られています。とっても優しいお顔で、心がなごみます。地蔵山には、大勢のお地蔵様がいらっしゃいます。 反対側左には、重文の元三大師堂もあり、赤いのぼりが並べられています。 その先、今度は紺ののぼりに替わります。本尊は正面に大黒天、右に毘沙門天、左に辯才天の三面のお顔を持つ三面大黒天を祀る大黒堂です。私は、こちらの三面大黒天様が大好きです。赤い大きな提灯と黒い香炉が、とてもマッチしていて粋なんです。堂内にも赤い提灯がぶら下がっていて、中には、三面大黒天様を中心に、左に妙見菩薩様、右に如来荒神様がいらっしゃいます。大黒天様は財福を、毘沙門天様は福徳円満を、辯才天様は知恵をそれぞれつかさどられます。 さらに石畳を進むと、左に霊苑事務所、右に「六時堂」「北鐘堂」の案内表示が現われます。 表示に従って右に曲がり、石畳をさらに進みます。左が六時堂、「亀の池」の先、右斜め先が納経所です。 まずは、赤茶色のすごく古い建物、六時堂に行き、ご挨拶をしましょう。いつ行っても多くの方々が参拝されています。ご本尊様は、薬師瑠璃光如来様です。 六時堂の前は、「亀の池」です。左右の池に亀がいっぱいです。中央に「聖霊会(しょうりょうかい)」舞楽大法要で使用する石舞台があります。 東聖霊会は、四天王寺で最も重要な舞楽大法要で、聖徳太子の遺徳を偲ぶものだそうです。現在の石舞台は、1808年に再建されたものです。次は亀の池を渡って六時堂の南東方向へ向かいます。 経木お流し所・亀井堂が見えて来ます。亀井堂から霊水が湧き出ていますが、この水は金堂の地下から湧き出る「白石玉出の水」と呼ばれていて、経木を流すと、極楽往生できると言われています。その先にあるのが亀井不動尊です。 白い提灯がいっぱい掲げられていて……大きなお寺の小さな不動明王様がいらっしゃいます。一枚の岩に浮き彫りにされている亀井不動尊の足元には、二童子がいらっしゃいます。全身を苔に覆われて、まるで苔の着物を着ていらっしゃるような亀井不動尊。聖徳太子が、亀井の井戸を覗いた時、不動明王様のお姿が水面に映ったので、ここに不動尊をお祀りしたそうです。右は延命地蔵尊、左は子育地蔵尊です。まるで下町のお不動さんみたいで、親しみがとても湧いて来ます。童子の顔だけが苔の間から覗いているのも、笑みがこぼれてしまいます。 東大門から来た場合は、役行者様と、伊勢神宮遥拝石をすぎ、楠の大木を左に曲がるとすぐに亀井不動尊です。 南大門から来た場合は、正面に中心伽藍があり右へ進み回廊沿いを歩くと、亀井不動尊です。 伽藍の五重塔は昭和34年(1959)に再建されたそうです。伽藍の中に入るには、仁王門から左の方へ行くと拝観受付があります。 門がいくつもあって、どれがどれだか判らなくなりそうですが、もう一つ、石ノ鳥居をくぐった先にある極楽門の前には、お店が並んでいます。西にある石鳥居から入ってくる方も多いです。また白衣を購入するならば、納経所で巡拝用品を調達できます。
近畿三十六不動尊霊場会先達・作家家田荘子寺院紹介
- 名称
- 荒陵山(こうりょうざん)四天王寺(してんのうじ)公式サイト
- 通称
- 天王寺
- 不動尊について
- 亀井不動と呼ぶ。石造座像。公開。
- 縁起
- 推古天皇元年(593)に聖徳太子が創建した。日本書紀では、物部守屋と蘇我馬子の合戦で、聖徳太子が守護神である四天王像を彫った。その時、この戦いに勝利したら、四天王(持国天、増長天、広目天、多聞天)を安置する寺院を建立し、「この世のすべての人々を救済する」と誓願された。勝利した後、誓願通り建立した。 昭和20年(1945)大阪大空襲によって、伽藍の北の一部以外、境内のほとんどを焼失する。 戦後、聖徳太子創建の寺ということから天台宗より独立。和宗を創立した
- 所在地
- 大阪市天王寺区四天王寺1丁目11-18 四天王寺境内、亀井堂南側。宝印は納経所で受けること。
- 郵便番号
- 543-0051
- 電話番号
- 06-6771-0066(代)
- 宗派
- 和宗総本山
- 開山
- 聖徳太子
- 創建
- 推古天皇元年(593)
- 詠歌
- ありがたや 法(のり)のはじめの 天王寺 亀井にうかぶ 不動明王
- 行事
-
- 1月1日
- 初詣
- 1月12日
- 生身供
- 1月14日
- 修正会結願法要(どやどや)
- 2月節分の日
- 節分会
- 2月15日
- 涅槃会
- 2月22日
- 太子二才まいり
- 春分の日とその前後3日間
- 春彼岸会
- 4月8日
- 仏誕会
- 4月22日
- 聖霊会舞楽大法要
- 8月2日
- 篝の舞楽
- 8月9日~10日
- 千日まいり
- 8月9日~16日
- 万灯供養会
- 8月13日~16日
- 盂蘭盆会
- 9月20日~26日
- 秋彼岸会
- 10月下旬
- 秋季大学講座
- 12月8日
- 成道会
- 毎月17日
- 法華八講会
- 毎月21日
- お大師まいり
- 毎月22日
- 聖徳太子会
- 毎月28日
- 不動尊会
- 特色
- 国宝、重文等寺宝多く、境内は史跡として指定されている。
- 交通
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- 徒歩
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- JR「天王寺駅」、地下鉄「天王寺駅」、近鉄「アベノ橋駅」から北へ700m。
- 市バス「天王寺西門前」下車すぐ。
- 地下鉄谷町線「四天王寺前夕陽ヶ丘駅」下車、南へ300m。
- 車・団体バス
- 阪神高速道路大阪環状線の「夕陽丘」ランプから松屋町を南下、天王寺公園前で左折し北進、西門交差点を東進、四天王寺南大門前のモータープールへ。
大阪へお泊りの際は、ぜひ四天王寺へ参拝下さい。
- 休憩宿泊等
- 無料休憩所あり。宿泊なし。
- 拝観
- 中心伽藍:大人300円、高校生・大学生200円、中学生以下無料
- 本坊庭園:大人300円、小中高校生・大学生200円、未就学児無料
- 宝物館 :大人500円、高校生・大学生300円、中学生以下無料
- 付近の名所旧跡
- 清水寺、愛染堂、真光院、庚申堂、生国魂神社、今宮戎、天王寺公園、天王寺動物園、植物 園、天王寺美術館、通天閣、北山不動尊。
- 山主
- 管長 森田 俊朗(もりた しゅんろう)
- その他
- 春秋彼岸、お盆、お大師まいりには特に参拝者が多い。