第3番 法楽寺
紫金山小松院(しこんざんこまついん)法楽寺(ほうらくじ)
ご朱印
みほとけの 御法楽しむ この寺に あしゃらのうたの 誓いたのまん
家田荘子コラム 三番 法楽寺
住宅街を歩いて行き、ベージュ色の石塀が終わると、急に目の前が開けます。明治42年に建てられた法楽寺の立派な石柱が現われ、(大きなお寺……)と、思わず感激の声が漏れます。目の前に木地の三重宝塔も迫っています。 ここが「田辺のお不動さん」、法樂寺です。 山門をくぐると、(きれいな境内……)と、再び感激します。 まずは右手、鐘楼の隣にいらっしゃる水かけ不動明王様に魅かれます。蓮池の上に敷かれた石の先に、水かけ不動明王様と、二童子がいらっしゃいます。なんともお力のあるかっこいい不動明王様です。そして役行者さんもいらっしゃいます。不動明王様のすぐ上にまで、大阪府指定天然記念物の楠木の枝がかかっています。 境内の中心には、平成8年に三笠宮両殿下にご来山いただき、命名された「平成の三重宝塔」がそびえ立っています。間口4.42メートル、屋根幅10.45メートル、縦高23.50メートル。境内に入って今度は左手側、手水舎の右隣に観世音菩薩様、水子地蔵様、そして、法樂寺の鎮守、秋葉大権現様と続き、百拝石があります。 香炉が本堂前の中央にあり、その先に蝋燭立てがあります。その右手、大変珍しいことなのですが、修行大師が微笑んでいらっしゃいます。 護国英霊の大地蔵尊の隣に、マニ車(経車)が並んでいます。マニ車の中にお経が納められていて、手で廻すと、一巻お経を唱えたと同じになるそうです。 英霊地蔵尊の向かいには、楠木が、悠々とそびえ立っています。面積500メートル、樹高26メートル、幹廻り8メートル、地面からは6メートル以上の高さがあり、枝が堂々と張り出していて、枝張りの直径は26メートルもあります。樹齢は800年ですが、新しい枝も出ていますそしてその下に稲荷社(楠大明神)が祀られています。 両腕を上方に上げて手の平を楠木に向け、思いきり、楠木のパワーをいただいちゃいましょう。 明神様の手前には、楠木の古木が自ら作ったという「オットセイ」が石の上にいて、思わず笑みがこぼれます。 本堂に向かうと、まず鬼瓦に目が行きます。厄除けと装飾を目的とした役瓦です。瓦の上に龍もいます。左右に広い本堂正面に、二童子と、木像立像の不動明王様がお厨子の扉を開けたままの状態でいらっしゃいます。また、左側に大聖歓喜天様、11面観音様、右側に立像地蔵菩薩様、釈迦如来様、そして座像の如意輪観音様もいらっしゃいます。さらに奥には十一面観音様、手前に歓喜天様……と、なんて有難い! 仏様が勢揃いです。 さて、本堂の左手前、観音堂の近くに大師堂があります。その大師堂と、昭和25年4月に奉納された中央の香炉との間にあるのは、紫燈護摩壇です。大師堂の左には「比處最古祥」、右には「衆寳荘厳殿」と書かれています。大師堂には4メートル20センチのチーク材の一枚板で作られた前机が設置されています。 大師堂の右には、四国八十八ヵ所霊場のご本尊様の塔があります。本堂の左をさらに先に行くと、リーヴスギャラリーがあります。日本芸術院賞恩賜賞受賞の書家、小坂奇石記念館と、リーヴスホール明王殿があり、ホールでは、結婚式もできるそうです。曲線の総ガラス張りのステキな建物ですが、これは僧侶が被る網代笠と、合掌を表現した建築だそうです。 私が参拝した日は「仏教美術展」が開かれていました。 お釈迦様や、アプサラ像、デザイン鐘や蓮の鉢など、目を引くものがいっぱいですが、一番魅かれたのは、それらのすぐ近く、本堂脇に置かれていた「境内清浄ご修行」用の箒でした。 多くの信者様に支えられているお寺。そして本堂の中で蝋燭が常に燃えている人気のお寺です。 楠木の近くでは、「くすのき文庫」という名の建物があり、毎週水曜日に「くすのきコーラス」の練習が行われ、また毎週土曜日は子供たちに開放もされています。客殿では毎週21日正午から15時まで写経が行われています」。
近畿三十六不動尊霊場会先達・作家 家田荘子寺院紹介
- 名称
- 紫金山小松院(しこんざんこまついん)法楽寺(ほうらくじ)公式サイト
- 通称
- たなべ不動尊、田辺の不動さま
- 不動尊について
- 木造立像(二童子も)
- 所在地
- 大阪市東住吉区山坂1-18-30
- 郵便番号
- 546-0035
- 電話番号
- 06-6621-2103
- 宗派
- 真言宗泉涌寺派(せんにゅうじは)、大本山
- 開山
- 平重盛公、中興第一世洪善普摂大和上、中興第二世忍綱貞紀和上、中興第三世慈雲尊者
- 創建
- 治承2年(1178)
- 詠歌
- みほとけの 御法(みのり)楽しむこの寺に あしゃらのうたの 誓いたのまん
- 行事
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- 1月1日~3日
- 新年吉祥護摩
- 1月28日
- 初不動尊祭、大般若転読、柴灯大護摩供
- 3月21日
- 彼岸会
- 8月15日
- お盆精霊送り
- 10月21日
- 四国八十八カ所巡拝お砂踏み法要
- 毎月28日
- 護摩祈祷
- 特色
- 市内にあって広い境内と大楠。くすの本文庫小坂奇石(書家)ギャラリーと明王殿を中心とした文化活動。玄朝作といわれる青不動尊(絹本着色不動三尊像)が最近発見された。
- 交通 (地図はこちらをクリック)
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- 徒歩
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- JR阪和線「南田辺駅」下車、東へ100m。
- 近鉄南大阪線「今川駅」下車、南へ500m。
- JR阪和線「南田辺駅」下車、東へ100m。
- 地下鉄谷町線田辺駅を出て、横断歩道を右斜め、「はあとらんど」カフェ方面へ進む。田辺小学校が左側にあり、反対側、道の右側を行く。田辺小学校前の交差点を右へ。交差点が大きいので、どの道を右へ行くか迷ったら、交差点をほぼすぎる位置にある道が正しい道、右へ入る。すぐに恩楽寺がある。 その後、大念寺、郵便局をすぎると右手にベージュの石塀と、上方に三重宝塔が見えてくる。
- 車
- あびこ筋線昭和町より東へ、桃が池を目標に進み、南田辺駅踏切を渡り100m。長居公園東側より北へ、東住吉警察署、東住吉区役所を通り田辺小学校角信号を西へ進む。
- 団体バス
- 大型交通規制があるので、桃が池横、長池横、東住吉区役所にとめて歩くこと。
- 休憩宿泊等
- 団体の場合のみ休憩可、200名まで、費用志納。
- 拝観
- 内陣参拝は出来ない。
- 付近の名所旧跡
- 長居公園、桃が池、長池
- 山主
- 和上または院主、「小松 庸祐(こまつ ようゆう)」
- 特産
- 法楽寺銘菓、陣銅羅
- その他
- 出版活動として、お寺の略記(永井路子先生)「四国西国仏画巡礼」「ほとけさまといっしょ」「ほとけさま物語散歩」等有り。