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第10番 若王山 無動寺

 

ご朱印


世を救う 仏のちかひ ゆるぎなく ちとせ変らぬ のりのわかやま

家田荘子コラム 十番 無動寺

 六甲山の北部。丹生(たんじょう)山系の裾に山田地域が広がっています。美しい田園風景の中を行き、山道に入ると途端に淋しい風景になり、これから山寺へ行くのだという心の準備をさせられます。  小さなY字路の左の方が参道です。新四国88ヵ所のご本尊様が左側に並ぶ中、ちょっと孤独を感じながら、自分を見つめる時間をいただきます。  ここは若王山。山の中です。奥深さと静けさを感じます。苔の生えている石段を8段、さらに15段と13段を登ると、いきなり視界が開け、目の前に風格ある本堂が現われます。右は鐘楼です。  広大な山の中にあるわりには、見えている部分の境内は広くなく、右手の茅葺屋根の庫裡もすぐ目に入って来ます。ほんわかとした温かさのあるお寺景色です。  宝形造りの本堂の右手前に、一願修行大師が、いらっしゃいます。  納経は、本堂の中です。(でも、こんなに歴史の古そうな本堂に入って行っちゃっていいのかな?)なんて、初めて来た時、とても遠慮しながら7段の階段を上がって本堂に入ったものです。  本堂の中は、天井が高く、金色二重塔がまず目に入ります。でもこれで終わりではありません。大日如来様が、奥の方から視線を送っていらっしゃいます。護摩壇の後ろに廻り、昭和58年に設置されたガラス張りの中を見た途端、 「うわぁ…………」  きっと誰もが、驚きと感激の声を漏らすことでしょう。とにかく凄いのです。こういうこじんまりとしたお寺といっては、大変失礼ですが、その中に、大正3年8月に国から重要文化財に指定された仏様が5体、計7体の「すばらしい」の一言では言い尽くせないほどのすばらしい仏様方がいらっしゃいます。  感激しすぎて足がすくんでしまいます。どなたのことから、ご説明したらよろしいか迷ってしまいますが、まずは、中央のご本尊、重文の大日如来様からいたしましょう。 檜の一本造りの大日如来様は、座像ですが、台座抜きで2.78メートルもの高さです。台座全てを含めますと、にもなります。すごい迫力です。かつては、ガラス張りの中でなく、本堂中央の金色二重塔の場所に大日如来様がいらっしゃいました。だから天井が、ひときわ高いのです。金のお飾りがいっぱいの大日如来様の元で拝んでいますと、大日如来様の目が、チラチラと動かれて、目が合ったり、ジロッと見られたり、ウィンクされたり……心の中をすべて見透かされてしまったようで、つい笑みがこぼれてしまいます。  その手前にいらっしゃるのが、立像の11面観世音菩薩様と、座像の不動明王様で、お二人とも国の重文です。11面観世音菩薩様は、やはり檜の一本造りの立像で150センチもあり、余談ですが、私とあまり身長が変わりません。  11面観世音菩薩様の左には、あまり他でお目にかかれないような  お地蔵様がいらっしゃいます。強さを秘められながらも、お優しそうな表情をされています。けれども、お腹がぽっこりと出ていますし、お顔もお姿も、おっさん系。金髪で、外国のお地蔵様のような雰囲気があります。と、失礼なことを書いていますが、実際は、火事で焼けたため金髪に見えてしまうのだそうです。  お地蔵様の後ろ、ご本尊様の並びは、やはり国の重文、釈迦如来様です。檜の一木造で、座像なのに120センチもあります。  大日如来様をはさんで右側には、檜の寄木造で、重文の阿弥陀如来様がいらっしゃいます。座像ですが、やはり120センチと大きなお身体です。  その阿弥陀如来様の前、不動明王様の右側に、もうお一人、県の重文の阿弥陀如来様がいらっしゃいます。檜の一本造の座像で、後ろの阿弥陀如来様と同じ120センチの大きな体躯です。  お一人お一人の息が伝わって来るようで、合掌したまま、その手をなかなか離すことができません。  さて、ようやく藤原時代の作の身代わり不動明王様についてお話ししましょう。座像、檜寄木造の不動明王様は、84センチもあり、大正3年に国宝に指定されました。  金のお飾りのかっこいい不動明王様は、眼力が、半端じゃなくおありで、全身からパワーを放っていらっしゃいます。「有難い、有難い」と、思わず言ってしまいたくなるくらい威厳があり、「はぁ……」と、私は何回、ため息をついたことでしょう。羂索(けんさく)(縄)を持つ左手には特に力がこもっていらして、「人を救いたい」という、強靱な意志を感じられます。背負われている火焔光背は、龍のようです。  昭和30年頃、山火事が茅葺屋根だった本堂に飛び火して、被害を受けました。それで仏様が焼けないよう昭和58年に銅板の屋根を作って、ガラス張りにし、防火シャッターも作られたそうです。さらに雨漏りを防ぐために屋根を二重にし、外壁と屋根に板張りをしたそうです。  本堂の奥殿の中心には、立像の不動明王様。その左には、三天様がいらっしゃいます。真ん中に弁財天様、右に大黒天様、そして左に毘沙門天様がおられます。右側には、お大師様もいらっしゃいます。  その奥殿の前、2017年4月に、ご縁あって、ガラス張りの外の両脇に、お二人の仏様が来られました。右が自国天様。左が毘沙門天様。自国天様の修理は、江戸時代にされているそうです。まるでずーっと昔から、この場所にいらしたように、ピッタリと7体の仏様と息が合っていらっしゃいます。来られるべくして、来られたのでしょう。  内陣の柱ですが、これがまたすごいのです。一本の欅が大木一本くらいの大きさです。かつて、本堂中央に大日如来様をお祀りするために、お堂が他のお寺より高く作られていますが、本堂の中をあれこれ眺めるのも、とても興味が湧きます。本堂の壁の左右には、八祖大師の絵が飾られています。  本堂に入ってすぐの所に受付があり、数珠なども販売されています。そして、何といってもこのお寺に伺うのが楽しみなのは、名物とも言えるご住職夫人の笑顔です。  2018年春に地蔵堂が完成します。後ろがガラス張りなので、美しい空や竹やぶを背景に拝むことができます。ガラス張りの中にいらっしゃる金髪のお地蔵様が、お引っ越しをされる日が待ち遠しいです。 お参りをすませ、本堂を出ると左側に、若王寺神社本殿があります。お寺の鎮守社、若一王子権現を祭祀しています。その先(参道から来たら階段上がってすぐ左。本堂と反対側)に厄除け不動明王様の護摩堂がありますから、36不動霊場巡りの方は、こちらのお参りも忘れないで下さい。黒いお体が、強いエネルギーを放っています。きれいなご衣裳です。  春は山ツツジ、秋は紅葉の景勝地です。美しい景色を見るだけでなく、無動寺では、ご住職夫人が、ご詠歌教室を開いておられます。興味のある方は、ぜひお問い合わせ下さい。

近畿三十六不動尊霊場会先達・作家家田荘子


寺院紹介

名称
若王山(にゃくおうざん)無動寺(むどうじ)公式サイト
不動尊について
身代り不動尊。藤原初期の作で、国指定の重文木造座像。公開。
縁起
 藤原時代初期、聖徳太子が開基。推古天皇の時代、聖徳太子が鞍作鳥(鳥仏師)に命じて、本尊・大日如来と諸尊を刻ませ、戦勝を祈願した。  現在の堂宇は、中興開山眞源阿闍梨(1689~1758)が、寺の荒廃を見て、20数年に及ぶ勧進努力をした。その結果、1752年3月再建することができた。明治8年、廃仏毀釈により、末寺と統合した。
所在地
兵庫県神戸市北区山田町福地100
郵便番号
651-1254
電話番号
078-581-0250
宗派
高野山真言宗
開基
聖徳太子。中興真源阿闍梨。
創建
推古天皇の御宇。
詠歌
世を救う 仏のちかひ ゆるぎなく ちとせ変らぬ のりのわかやま
行事
毎月5日
祈願護摩
毎月21日
大師まいりと祈願護摩
2月第1日曜日
オコナイ祭(棒たたき祭り)
10月第1日曜日
オシュウシ祭
11月第2土曜日
写経奉納会
特色
本堂の奥が宝物殿となっており、本堂から拝観できる。本尊丈六大日如来をはじめ、不動明王・釈迦如来・阿弥陀如来・十一面観世音の国指定の重文五躰と県重文阿弥陀如来1躰が奉安されている。又、境内には鎮守重文若王子神社本殿がある。
交通(地図はこちらをクリック)
徒歩
  • 神戸電鉄箕谷(みのたに)下車。または三宮発新神戸駅経由のバス停から市バス64番で「箕谷駅」下車。さらに市バス111系衝原行に乗り「福地」で下車する。新神戸トンネルができて近くなったので、三宮駅から20分少々、「箕谷駅」タクシーという方法もある。足に自信のある人は、箕谷駅から徒歩で約1時間。  「なかにし」という酒屋さんをさらに左に。道が判らなくなったら「なかにし」さんで尋ねると、親切に教えて下さる。無動寺の看板が出てくるので、200メートルほど行って左、細い参道を上がる。 箕谷駅から福地への行き帰りのバスは、本数が少ないので、ご注意下さい。
  • 新幹線「新神戸駅」下車、新神戸駅バス停あり、市バス64系統(JR三宮駅前発)にて、「箕谷駅」下車、以下前記に同じ。
車
  • 新神戸トンネル利用の時は料金所を出てすぐ信号を右折。福地バス停を右折、山手へ800m。
  • 奥再度山ドライブウェイ利用の時は、小部(おおぶ)峠で右折して428号線に入り、以下前記に同じ。西宮北インターより神戸三田線を南へ、皆森を右折、以下前記に同じ。

駐車場は無料。

団体バス
車に同じ。但し原野南交差点を直進、次の信号を右折し福地バス停へ。
休憩宿泊等
宿泊20人可。休憩、貸室等可。予約のこと。
拝観
9時~17時。拝観料大人200円、中学生以下100円。
附近の名所旧跡
重文六条八幡宮三重塔、重文箱木千年家、重文下谷上農村舞台等古文化財の宝庫、呑吐ダム、つくはら湖。
山主
住職「久保  泰明(くぼ たいみょう)」
その他
春は山つつじ、新緑、秋はもみじの景勝の地。
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