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第30番 如意輪寺

 

 

塔尾山椿花院(とうのうざんちんかいん)如意輪寺(にょいりんじ)

ご朱印

ふたはたの あまくだります むくのきは よよにくちせぬ のりのしのあと

家田荘子コラム 三十番 如意輪寺

「近畿36不動尊30番霊場」と左の柱に。「吉野朝勅願所 楠木正行(まさつら)公遺跡 如意輪寺」と、右の柱に書かれた千社札所だらけの古い古い門の前に立つと、その先の溢れる緑に吸い込まれて行くような気分になります。  吉野山といえば、4月上旬から約1ヵ月、下千本、中千本、上千本、そして奥千本の合計3万本の桜で大変有名ですが、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、自然の色彩に満たされた690メートルの絶景の山です。  その吉野山の中千本にあるのが、如意輪寺で、「塔尾山椿花院(とうのざんちんかいん)」と言います。  年季の入った山門をくぐり、森林浴をしながら、紅葉の参道を歩いて行きます。本堂の後ろを左に廻ると、すぐに不動堂です。  こちらの不動明王様は、「難切(なんぎり)不動尊」と呼ばれ、日本で最大の石の不動明王様です。その昔、農夫が牛車と共に転落した時、不動坂に立っておられた不動明王様が、左手を負傷してまで身代わりになって、救って下さったそうです。ということから、交通安全祈願の不動明王様と、如意輪寺に伝えられているそうです。  立像の不動明王様と二童子を、すぐ前で拝むことができます。不動堂の杉の木の横に、かぼちゃがいっぱい供えてあります。かぼちゃのことを関西では、南瓜(なんきん)というそうです。南瓜は体に良く、免疫力を高めると有名です。困難に打ち勝つには、まずは体、健康です。かぼちゃを食べて災難を切って貰うということで難切(なんぎ)り→南瓜(なんきん)。南瓜がお供えしてあるそうです。  不動堂の右に、またまた古い簡素な本堂があります。左の柱に「御本尊如意輪観世音菩薩」、右の柱に「如意輪堂」と書かれており、その後ろに軒下からぶら下がっている灯篭が、とても古く風流なのが目につきます。この本堂は、正面の山門から入った時、真正面にあります。如意輪寺は、慶安3年(1650)再建され、正平2年12月27日、楠木正行公が、四條畷(しじょうなわて)の決戦(大阪府、足利武将高師直(こうのもろなお)との戦い)に向かうにあたり如意輪寺の本堂の扉に鏃(やじり)でもって、 「かゑらじと かねて おもえば 梓弓 なき数に入る 名をぞとどむる」  (生きて帰れない身ではあるがゆえに 亡き人の仲間入りをする名を残して戦いに出立(しゅったつ)します)  という言葉を残した扉は、再建前の扉で、現在は宝物殿に保存されています。  その本堂の中には、それはそれは大変大変美しい如意輪観音様がいらっしゃいます。頬に手をやって座っていらっしゃる如意輪観音様ですが、あまりの美しさに魅せられてしまい、ポーッとしたまま動けなくなるほどです。  人の心を虜(とりこ)にしてしまう如意輪寺の如意輪観音様は、それほど美しく妖艶なのです。私は、こちらの如意輪観音様の大大ファンです。ご本尊は、南北朝時代に修理されたそうです。  本堂の左には、楠木正行公お手植えの木斛(もっこく)があります。また、左前には、後醍醐天皇の腰掛石もあります。  本堂の向かいには、修験の開祖・役行者様がいらっしゃいます。その役行者さんから左前方(本堂に向かって左)に、納経所があります。納経所では、沢山の手拭いが売られています。中でもかわいいのが、ネコの手拭いです。なぜ如意輪寺にネコかというと、このお寺も、長い間、無住職時代が続きました。 その間、ネコがお寺を守って住みついていたとの事です。 慶安3年(1650)に再建して下さったのは、四国の長曾我部盛親の弟・文親さんです。母親が楠木家の末裔ということで、大阪の陣から脱出し、盛親の息子二人を連れて吉野に逃げのびました。そうして再建が始まったのです。  如意輪寺では、桜葬をしています。桜の木を墓標として、遺骨を土に埋め、石碑を建てない自然葬で永代供養をしてします。  また、桜の献木も募集しており、私も参加させていただいております。  本堂の後ろ、階段を登った先に後醍醐天皇陵があります。また庭園では、美しい庭を見学できます。  宝物殿には、数々の宝物が納められています。中でも凄いのが、天井いっぱいに描かれた巨大な「ねおがみの観音」で、台の上に仰向けになって寝たまま拝みます。  また、後醍醐天皇が吉野の皇居で、天下泰平を祈願されたという立像・桜の一本造りという金剛蔵王(ざおう)権現様も如意輪寺にいらっしゃいます。

近畿三十六不動尊霊場会先達・作家 家田荘子


寺院紹介

名称
塔尾山椿花院(とうのうざんちんかいん)如意輪寺(にょいりんじ)公式サイト
通称
如意輪堂
不動尊について
難切(なんぎり)不動明王。石造立像。公開。
縁起
 延喜年間(901~923)文章博士・三好(みよし)義(よし)行(ゆき)の弟で、醍醐天皇の御帰依を被った目蔵道緊上人の草創にかかり、後醍醐天皇が吉野に行宮を定める勅願所となる。  正平2年(1346)楠木正行公一族部郎党143名と共に参詣。その後、衰退するが、慶安3年(1650)文誉鉄牛上人が再興。真言宗から浄土宗に改宗する。  元弘3年(1333)北條幕府を倒した後、後醍醐天皇は、足利氏との戦いのため京都から吉野へ逃れる。延元4年(1339)天皇崩御する。次の後村上天皇の正平2年(1346)12月27日、楠木正行公の一部郎党143人が、四條畷の決戦に向かう前、吉野の皇居に天皇と今世の別れを告げ、後醍醐天皇御陵に参拝後、本堂へ来る。髪を切り仏前に奉納し、過去帳に姓名を残す。最後に楠木正行公が鏃で「かゑらじと かねて おもえば 梓弓 なき数に入る 名をぞとどむる」と扉に残し、戦いに旅立った。27歳で命の幕を閉じる。
所在地
奈良県吉野郡吉野町吉野山1024
郵便番号
639-3115
電話番号
07463-2-3008
宗派
浄土宗
開山
日蔵(にちぞう)上人
創建
延喜年間(901~922)
詠歌
ふたはたの あまくだります むくのきは よよにくちせぬ のりのしのあと
行事
3月22日
春の彼岸会
8月25日
施餓鬼会
9月22日
秋の彼岸会及び不動尊大祭
11月28日
不動尊大祭
特色
吉野朝勅願所、楠木正行公遺跡。
交通
徒歩
近鉄吉野線の終点「吉野駅」下車、ロープウェイを利用後徒歩約40分。吉野駅から徒歩の近道がある。タクシー利用の場合「吉野駅」より10分。
近鉄吉野駅からタクシーで10分くらい。徒歩で登れば30~35分。ロープウェイを使って金峯山寺(きんぷせんじ)側から行くと徒歩40分くらい。
車・団体バス
国道169号線から吉野大橋を渡り、吉野神宮駅前を左折吉野山観光車道へ進入のこと。
休憩宿泊等
休憩は100名程度可。食事の斡旋もして貰える。以上前もって連絡のこと。
拝観
宝物殿(楠木正行公辞世の扉、仏像、仏画等)、後醍醐天皇御霊殿(天皇御自作の木像)。多宝塔、庭園。以上拝観料400円。団体割引あり。
附近の名所旧跡
後醍醐天皇陵、蔵王堂、吉水神社、吉野神宮。
山主
住職または方丈(ほうじょう)「加島(かしま)公信(こうしん)」
特産
吉野葛、葛菓子、柿野葉寿司、桜細工、杉細工。
その他
桜の見頃は4月5日~20日、新緑とつつじは5月1日~10日、紅葉は11月10日~20日。
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