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第36番 高野山 南院

 

 

ご朱印

ありがたや 生死苦海の 浪風を 切りはらいたまふ 智慧の御剣

家田荘子コラム 三十六番 南院

「浪切(なみきり)不動前」のバス停を下りると、まず歩道にせり出して根を張っている逞しい栂の大木が目に飛び込んで来ます。  石柱には「弘法大師御守本尊 浪切不動尊」と彫られていて、弘法大師空海の開かれた高野山にいるのだと、実感が湧いて来ます。  こちらが「高野山別格本山 浪切不動尊 別当南院」。近畿36不動尊の結願寺です。高野山には117の塔頭(たっちゅう)寺院があり、山門から奥まった所に本坊のある寺院が多いのですが、南院は、とても開放的な札所で、山門を入ると目の前に本堂が見えています。まるで神社の本殿のような重そうな構えなのにオープンな本堂。高野山のお寺の中で、特に親しみやすいお寺です。 霊場巡りでない人も気軽にお参りをさせていただいています。本堂の右端には納経所があり、いつもお参りの人々が訪れています。  右手の方に本坊がありますが、外はとても古いのに、中はとてもきれいな新しい宿坊になっており、こちらにも多くの宿泊者が出入りをしています。  山門入ってすぐ右の大きなイチョウの木に驚かされながら進み、木の階段を8段登ってすぐ、本堂外陣の天井を見上げて「あっ! すごい!」また驚かされます。  なんという立派な八大浪切龍王(鳴龍)の天井絵! 吉田高嶺画伯が書かれたそうですが、すぐ上に龍王がいらっしゃるのです。とても眼力のある、シンプルかつ大胆に描かれた龍王様で、上から飛びかかって来られそうな迫力です。龍王様は、除災、招福の守護をされています。  本堂内の天井には、シャンデリアのような大きな燈明が飾られています。  本堂に入って、参拝させていただくことができます。護摩壇の先、金糸で龍を織った幕の後ろに、二童子を連れたお前立ての不動明王様。その奥の厨子の中に木造赤(しゃく)栴(せん)壇(だん)の霊木立像の秘仏・ご本尊がいらっしゃいます。木像古色で身の丈76.2センチ。藤原時代の作で、明治41年1月10日に重文に指定されました。  南院のご本尊は、ちょっと変わったポーズをされているので有名です。  不動明王様がお体を少しひねって立たれたまま、右下の剣の方をご覧になっているのです。何をお考えになっていらっしゃるのか……とても興味が湧き、想像が絶えません。  弘法大師空海上人が804年、遣唐使として中国へ渡られた時、恵果阿闍(けいかあじゃ)梨(り)という高僧と出逢い、密教のすべてを伝授されます。その恵果阿闍梨から、御守本尊として、赤栴壇の霊木を授かりました。  806年、中国から日本へ戻る海路で嵐に巻き込まれ、荒れ狂う波の中で、遭難しそうになった時、弘法大師空海上人が念じた時に現れたのが、この浪切不動明王様でした。火焔(かえん)を放ち、利剣(りけん)を振って、舟を博多の津まで導いて下さったそうです。そこで弘法大師空海上人が、恵果阿闍梨から授かった霊木から、一刀三礼を込めて霊尊を彫られたのです。「浪切不動明王」という御名号は、この出来事により奉られた尊称だそうです。  毎年6月28日のご開帳の時のみ、ご本尊を拝見することができます。  本堂の西隣には、仏舎利塔があります。スリランカ出身のシロガマ・ヴィマーラ大僧正が、南院で修行をされたご縁から、スリランカのジャワルダナヤ大統領から仏舎利を贈られました。その仏舎利を奉納する仏舎利塔が、昭和63年に建立されました。仏舎利塔の2階には、弥勒菩薩様を中心に、諸菩薩様、不動明王様、飛天が描かれ、弥勒曼荼羅を立体化しているそうです。  本堂右手、境内から、南院右後方にある重文の徳川家霊台に行くことができます。「稚児大師」と呼ばれている朴(はく)の花が咲いています。  寛永20年(1643)、三代将軍家光が、徳川家康、秀忠の菩提のため建立したそうです。

近畿三十六不動尊霊場会先達・作家 家田荘子


寺院紹介

名称
高野山別格本山 南院(なんいん)公式サイト
通称
浪切不動、南院。
不動尊について
浪切不動尊と呼び、秘仏。御開帳は毎年6月28日。木造(赤栴檀(しゃくせんだん)の霊木)の立像。
縁起
東大寺の南院で住職をしていた子(こ)島(じま)真興大僧都(そうづ)が建立する。  弘法大師空海が、日本に帰国後、浪切不動明王様は高野山全山の祈願本尊として、大伽藍にある山王院に移られたが、南院を別当寺として定め、護摩秘法を奉修し続けて来た。
所在地
和歌山県伊都郡高野町高野山680
郵便番号
648-0211
電話番号
0736-56-2534(代)
宗派
高野山真言宗
開山
弘法大師空海。本尊は弘法大師御自作。
創建
弘仁年間(810~824)
詠歌
ありがたや 生死苦海(しょうじくかい)の 浪風(なみかぜ)を 切りはらいたまふ 智慧(ちえ)の御剣(みつるぎ)
行事
1月28日~2月4日
節分祈願会
5月8日
春季紫灯大護摩供
旧暦5月1日~2日
山王院夏季祈願会
6月28日
本尊講(御開帳)
10月8日
秋季紫灯大護摩供
特色
東照宮を望む奥庭の景観。本堂白龍大天井。伝統の精進料理。
交通
徒歩
南海高野線「高野山」駅よりバスで6分ほど、「浪切不動前」で下車。
車・団体バス
国道24号線の高野口町から九度山町、高野山道路を経由、高野山へ。積雪時にはタイヤチェーンが必要であるが、時によっては、通行禁止になる。要注意。高野口より約1時間。境内に観光バス5台駐車可能。
休憩宿泊等
宿泊
150名可。1泊2食付9,000円以上。
休憩
昼食200名可、1人3,000円以上。
拝観
本堂参拝無料。
附近の名所旧跡
奥の院、大伽藍、金剛峯寺(こんごうぶじ)等。
山主
「内海(うつみ)照隆(しょうりゅう)」
特産
胡麻豆腐、みろく石(菓子)、高野槙等。
その他
門前の山桜、牡丹、奥庭の朴の花、新緑、紅葉等が美しい。
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