第9番 大龍寺
別格本山再度山(ふたたびさん)大龍寺(たいりゅうじ)

ご朱印
だい志ょうの いのるちからの げにいわや 石の中にも ごくらくぞある
家田荘子コラム 九番 太龍寺
龍宮城みたいな赤い中華風の山門をくぐると、次に51段階段を上がって、仁王門があります。大きな仁王様が、ちょっと怖いくらいの形相で、お山とお寺を守っていらっしゃいます。ここが1200年以上の歴史を持つ大龍寺です。六甲山の西寄り、神戸元町の北に再度山は位置します。 すぐ左に御稲荷様へと続く鳥居の道があります。右の手水舎で手を清めます。仁王門から階段を煩悩の数、108段を上がります。右へ行けば納経所のある、お城のような白い建物、納骨堂(霊明殿)です。納経所は「たしかにお経を納めました」という証明をいただく所なので、まずは、さらに73段階段を上がって本堂へまいりましょう。 本堂に向かって、右に護摩堂、その手前に修行大師がおられます。左の方には、毘沙門堂、弁財天様、大黒天様がいらっしゃって、穴ぐちの前に鐘楼があります。 古い本堂はガラス張りですが、扉が閉まっていて中は見ることができません。ご本尊の聖如意輪観世音菩薩様は立像で国指定重文ですが、秘仏です。立像の如意輪観音様は、とても珍しいと私は思います。 本堂から右の方へ行くと、奥の院である大師堂があります。本堂から右の方へ山道を行くと、奥の院である大師堂があります。大師堂からさらに右の方に行くと、山頂に向かう道があり、その道すがら梵字岩、亀岩がありどちらも弘法大師作であると伝えられています。 再度山全部がお寺というくらい広大な札所ですが、本堂のある境内は、大きな山のわりに、中心に固まっています。本堂の左右に、所狭しと、いっぱい小さな石仏が置かれているので、(石仏はどなた?何のため?)と、さんざんあれこれ想像してみましたが、「ぼけ封じ」のための石仏で、多くの方々の願いが込められているそうです。石仏の顔をよーく見てみたら、好々爺でした。 護摩堂には、黒いお体に金の剣を持たれた不動明王様が立っていらっしゃいます。江戸時代の作で木造、半眼で光背は赤く……でも、外からは暗くてほとんど見ることができません。 不動明王様の左にお大師様、右にお地蔵様がいらっしゃいます。天井には龍の彫り物が。そして、大イチョウの木をバックに立たれる修行大師は、とてもかっこいいです。 階段を下りて行くと、お城のような立派な白い建物があります。ガラス張りの所には、美しい吉祥天尊様がいらっしゃいます。廻りには小さなお地蔵様がいっぱいです。 さらに足を進めると、かなり立派でふくよかな獅子が目に入って来ます。ここが納経所のある霊明殿の入口です。 霊明殿一階には、売店があり、中風(脳梗塞)除け枕カバーや椎茸昆布など、いろいろと並べられています。納経を待つ間、備えられた椅子で休むこともできますし、不動明王様や愛染明王様方に、お参りもできます。
近畿三十六不動尊霊場会先達・作家家田荘子寺院紹介
- 名称
- 別格本山再度山(ふたたびさん)大龍寺(たいりゅうじ)公式サイト
- 通称
- 中風除けの寺、お大師さん。
- 不動尊について
- 再度不動と呼ぶ。木造立像。毎月21日護摩修行。
- 縁起
- 奈良時代、神護景雲2年、称徳天皇の勅を受けた和気清麻呂公が、お寺を建てる場所を求めて摂津山中へやって来た。その時、和気清麻呂公の後をつけていた刺客の前に一匹の大蛇が現われた。刺客は一目散に逃げたので、和気清麻呂公は大蛇に救われた。大蛇の姿が消えた所に、聖如意輪観世音菩薩様が立っていたという。和気清麻呂は、その場所に大龍寺を建てた。大蛇が現われた場所は「蛇ヶ谷」と名付けられている。 804年、弘法大師空海上人が、遣唐使として唐へ渡る前に、この山を訪れた。帰国後、再びこの山に登山をされたので、「再度山(ふたたびざん)」と呼ばれるようになった。 弘法大師空海上人が修法をした場所を「修法(しお)ヶ原」と呼び、今は再度公園になっている。 天授元年、後円融上皇が、中風(脳梗塞)にかかった時、善妙上人が、ご本尊に7日間の祈願をした。病いが治ったことから「中風除けの寺」「病気平癒の寺」として、大龍寺が有名になり、今日に至る。
- 所在地
- 神戸市中央区再度山1番地
- 郵便番号
- 650
- 電話番号
- 078-341-3482、078-371-5838
- 宗派
- 東寺真言宗
- 開山
- 和気清麿公。中興、善妙上人(観応年間ー1350~1352)
- 創建
- 神護慶雲2年(768)
- 詠歌
- 六つの塵(ちり)五つの慾(よく)も たちかへり 再び洗う山の井の水
- 行事
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- 1月1日~3日
- 除夜の鐘並びに修正会
- 1月6日
- 寒の入り中風除大祈祷加持
- 1月21日
- 初大師
- 2月3日
- 節分星まつり
- 3月21日
- 彼岸大師
- 4月第2日曜日
- 春季永代土砂加持法会
- 7月20日(土用の入り)
- 中風除大祈祷加持
- 8月21日
- 盆大師(柴灯護摩修行)
- 9月21日
- 彼岸大師
- 10月第2日曜日
- 秋季永代土砂加持法会
- 特色
- 写経。弘法大師作亀の岩。行場。水子地蔵奉納所。
- 交通(地図はこちらをクリック)
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- 徒歩
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- 神戸三宮駅から車で30分。再度山ドライブウェイが南北に走っている。 JR三宮駅バスターミナルから市バス25系統(冬季は土日祝のみ運休)森林公園行に乗って、約20分。大龍寺前で下車する。目の前が山門。 25 系統のバスは冬期(12 月~3 月いっぱい)運休です それ以外の4~11 月の土、日、祝日のみ運行 ですので年間通して平日は運休と為っております。
- 三宮駅からタクシーで約15分(約2,000円)県庁前より諏訪山を経て登る参詣道あり。
- 車・団体バス
- 有馬道より再度山ドライブウェイで門前まで。駐車場あり。
- 休憩等
- (茶菓付)200円。
- 拝観
- 重文菩薩像並びに不動堂入堂拝観案内、一人200円。
- 附近の名所旧跡
- 弘法大師修法(しお)が原、市立森林植物園、有馬温泉、再度山国立公園。
- 山主
- 院家(いんげ)「井上(いのうえ) 仁性(じんしょう)」
- 特産
- 椎茸こんぶ(佃煮)、白南天中風除箸、中風除枕カバー。
- その他
- 山内は原始林、椎の古木に覆われ、新緑、紅葉の時期は特にすばらしい景色である。